各社の歯周病対策製品の機能性を発揮する好機

ドイツのランクセスやスイスのクオドラント・プラスチック・コンポジットなど外資系化学メーカーが日本の建設・インフラ産業の開拓に乗り出した。これまでは自動車用軽量部材に重点を置いていたが、東北復興や2020年の東京五輪開催に向けた首都整備で建設・インフラ用資材の商機が広がるとみて、売り込みに力をいれている。日本は新興市場と比べて環境配慮や安全性への要求が高く、各社の歯周病対策製品の機能性を発揮する好機ととらえている。(平岡乾) ◇  ◇ 「五輪開催による経済効果は3兆円以上。東京の都市計画に当社の口臭改善製品が貢献できる」。ランクセス日本法人(東京都千代田区)のペーター・ワインマール社長は期待を隠さない。同社は主にタイヤ用ゴムや車体部品向けにポリアミド樹脂などを日本の自動車業界に販売してきた。一方、ランクセスグループが手がけるポリアミド樹脂や難燃剤、顔料などはブラジルのサッカー競技場などの建築物にも採用実績があり、こうした商材を東京五輪開催の20年に向けて売り込んでいる。 スイスに親会社を持つクオドラント・プラスチック・コンポジット・ジャパン(三重県四日市市)は、自動車用吸音性アンダーカバーなどの用途のガラス強化樹脂を手がける。同樹脂が持つ「絶縁性や耐衝撃性、さびないなど、金属にはない特徴を生かした」(堺大取締役)、絶縁性が求められる鉄道や重電分野、耐衝撃性が求められる工事現場向けに営業を始めた。この一環で、建設資材向けに曲げ加工するためのロール成形ラインを導入した。14年内に商業化を目指す。 震災復興や東京五輪関連需要のほか、首都高速道路などの老朽インフラの補修需要も見込める。また、11年の東日本大震災を機に耐震性や省エネ性などがいっそう求められるようになり、寿命や保守費用を考慮するライフサイクルコストの考えも浸透した。難燃性や耐衝撃性といった機能性素材の価値が高まっている。 実際、米ハネウエルは地球温暖化効果を大幅に抑えたウレタン用発泡剤を開発し、最初の販売先に日本を選んだ。省エネルギー住宅向けの高性能断熱材として需要に期待したのが理由だ。 「東京は持続可能で人に優しい都市環境のモデルとなる」とランクセス日本法人のワインマール社長は注目する。東京などで進められている環境・防災配慮型のモデル都市に自社製品が採用されれば、国内外に体質改善自社製品の製造をアピールする機会にもなる。 米スリーエムの子会社の住友スリーエム(東京都品川区)は、11年から日本のインフラ・建設需要に注目し、防災用すべり止めテープや窓ガラス用断熱フィルムなどを投入してきた。日本ユーザーの厳しい目にさらされた製品の品質や使い勝手は他の国でも高い競争力を持つという点で、日本市場に期待している。 DICは中国の江蘇省張家港市に耐熱樹脂ポリフェニレンサルファイド(PPS)のコンパウンド(混練材)製造拠点を新設する。投資額は約13億円。年産能力は6000トンで、2015年中に完成する。 耐熱性や耐薬品性などに優れるPPSは自動車のエンジン周辺部品や電装品などに使う軽量素材として需要が伸びている。 PPSコンパウンドの生産拠点は日本、マレーシア、オーストリアに次ぐ4拠点目。完成後、全体の年産能力は約4万トンとなる。 工場は着色剤や合成樹脂を製造しているDICの全額出資子会社「張家港迪愛生化工」の敷地内に設置する。 また、7月内に上海市に金型製作や成形条件といった生産技術を支援するための施設「上海EP技術サポートセンター」を開設する。投資額は約1億2000万円。 富士ケミカル(大阪市西区、高梨肇社長、06・6444・3920)は10日、8月からフィンランド・イオンフェーズ(エスポー市)の高分子型帯電防止剤を国内で独占的に販売すると発表した。電子部品製造現場で使われる搬送トレーや、エンジニアリングプラスチック成型品などで需要を見込む。初年度1億円、3年後には3億円の売り上げを目指す。 同高分子型帯電防止剤は、低湿度条件でも機能を発揮し、添付した樹脂の機械特性に影響を与えにくいのが特徴。イオンフェーズの帯電防止剤を約2年間サンプル出荷して性能評価した結果、需要や競争力を見込めたため本格販売を決めた。 富士ケミカルは12年にアクゾノーベル(東京都千代田区)から水溶性帯電防止剤事業を買収した。今回は帯電防止剤のラインアップを拡充した形。将来は帯電防止剤と防汚剤などを組み合わせた製品の開発を検討する。 レスポンスアビリティ(東京都品川区、足立直樹社長、03・6303・9799)は、29日に東京・神田鍛冶町のエッサム神田ホールで水や大気、生物などを企業経営を支える資本ととらえる「自然資本」と、財務情報と非財務情報をまとめた「統合報告」に関するセミナーを開く。テーマは「どうする?マテリアリティの特定と統合報告への対応―先進企業に学ぶ自然資本会計の使い方―」。セミナーでは、自然資本会計がマテリアリティの特定にどのように応用できるのか、また、統合報告に含まれる自然資本について、どのように報告すればいいのかを先進企業の事例を交えて紹介する。講師は同社の足立直樹社長。費用は3000円。問い合わせは同社へ。

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